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穿刺部の管理はインターベンションの基本。
合併症を起こさないためには、テクニックとデバイスの両方を熟知し、使いこなすことが重要。

―Femoral穿刺の視点より―

公益財団法人 心臓血管研究所 付属病院
院長
矢嶋 純二 先生

矢嶋 純二 先生

穿刺の位置が手技の成功を左右する

基本的なことですが、血管内治療において大腿動脈アプローチを選択する際、正しい位置に正確に穿刺することは非常に重要です。
例えば、鼠経靭帯より上の中枢の位置での穿刺は、後腹膜出血のリスクを高めると言われており1) 一方で分岐部より末梢の穿刺だと用手圧迫、止血デバイスでの止血は困難になることが多いです。
こうしたことからも、穿刺部の選択や適切な穿刺を含むマネジメントは治療の成功を左右する重要な要素であり、治療全体を見据えて戦略的に考える必要があります。

私は以前救急に勤務していた際に多くの大腿動脈穿刺を経験し、緊急時であっても様々な症例に対して適切な穿刺ができるようになりました。しかし、橈骨動脈アプローチがPCI治療の主流となった現在では、誰でも大腿動脈穿刺を豊富に経験できると言えば、必ずしもそのような環境にはないと思います。そのため、指導者としての立場で手技に立ち合っていても、実際に不適切な位置での穿刺になっている術者を少なからず目にします。

デバイスの特性をよく理解し、適切に使用できるようになることが大切

手技を行う上で最も大切なことは、患者さん一人一人に合わせて適切な治療を行うことです。
そのためには、穿刺の際は解剖学的に正しい位置を把握し、自分の手で触れて拍動の位置をしっかり確認しながら行うこと。エコーを使用する場合にも、単に「道具を使う」ことに満足するのではなく、プローブの使い方や画像の読影をしっかり学び、短時間で正確な診断が行えるように修練しておくこと。こうしたことを日頃から怠らないことが大切です。

また、Complex症例では7Fr-8Frの太いシースを選択することが多いので、圧迫止血には時間がかかります。止血デバイスを使う際には、そのデバイスの適応症例であるかどうかを術前に確認し、症例に合わせて止血法やデバイスの選択を行う必要があります。

現在は、昔と比べてインターベンションにおける穿刺や止血のサポートデバイスが充実しています。これからのインターベンショナリストは、こうした新しい技術を取り入れながらも、常に合併症のリスクを念頭に置き、自らのテクニック(腕)とデバイス(道具)の両方の使い方を熟知し、その両輪を磨いていくことで、患者さん一人一人に合わせた、より適切で安全な治療が提供できると私は考えています。

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