株式会社島津製作所・テルモ株式会社共催 REAL座談会
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科 中村 正人 先生
関西ろうさい病院 循環器内科 飯田 修 先生
国保旭中央病院 循環器内科 早川 直樹 先生
日本には世界に比べても非常に長い歴史を持つ会社が多いわけですが,それは医療業界にも当てはまります。
その代表格がテルモ株式会社(以下テルモ)と株式会社島津製作所(以下島津製作所)です。テルモは今年ちょうど100年,島津製作所は147年という非常に長い歴史を持っておられます。
テルモは,北里柴三郎博士らが発起人となって1921年(大正10年)に作られた,体温計を作る会社をもととした医療機器メーカーです。 「学者は高尚な研究で自己満足してはいけない。これを実際に応用して社会に貢献することこそ本分である」という北里博士が生涯貫いたスピリッツを受け継ぎ,「医療を通じて社会に貢献する」を企業理念としています。 創業時の目的は第一次世界大戦の影響で輸入が途絶えた良質な体温計の国産化で体温計の専業メーカーでしたが,1963年には日本初のディスポーザブル製品の製造にも乗り出し,1985年にラジフォーカス・ガイドワイヤーMを開発して心血管医療に参入されました。 その他にも,人工心肺装置や人工血管などを販売し,心臓・心血管治療に大きな存在感を放つ,世界160以上の国と地域で事業を展開している日本発のグローバル企業です。
島津製作所もまた素晴らしい歴史を誇ります。創業は1875年(明治8年)で,初代の島津源蔵氏が京都で教育用理化学器械の製造業をはじめられたところが源流となります。「科学は人の役に立ってこそ価値がある」という初代の遺志を受け継いだ二代目の源蔵氏は,蓄電池のX線装置の開発に力を入れ,1918年に汎用型医療用X線装置を完成させます。近年になると高性能な血管造影装置を世に送り出し,2002年には社内研究所主任の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞するなど,島津製作所は技術力に定評のある内資のグローバル企業です。
よくみると,島津製作所の社章は鹿児島の島津家の家紋と非常に似ています。実は,薩摩の島津義弘公が,京都の伏見から帰国の途上に播州姫路の領地に立ち寄った際,初代源蔵の祖先が領地の検分などに尽力し,その誠意に対する感謝の印として義弘公から「島津の姓」と「丸に十の字(くつわ)の家紋」を贈呈されたと伝えられています。
さて,この歴史のロマンを感じさせる二つの企業には共通点があります。それは「科学力で国民を幸せにしたい」という想いで,図らずも両社とも心血管を低侵襲で治療するというところに開発の焦点を合わせてきたところです。テルモはカテーテル治療をいかに低侵襲かつ効果的に行うか,島津製作所はいかに被ばく線量や造影剤量を低減させつつ最高レベルの画像を得るか,そして両社ともユーザーの使いやすさの追求というところで多くの工夫を行ってきました。そのような低侵襲を目指している我が国屈指の老舗である両社が我々の『NPOリアルワールドデータを構築し明日の医療を支援する会』の趣旨に賛同くださいました。今回は,未来的で低侵襲なEVTについての意見交換を行い,将来像を占いました。
NPOリアルワールドデータを構築し明日の医療を支援する会
中村正人
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